秘密のオブジェクト

“40歳の女性大学教授と21歳の男子大学生のラブストーリー。
その語り口がなかなか凝っています。
狂言回しを務めるのは、ふたつのモノ(オブジェクト)、教授ヘジョンの部屋にあるコピー機と、大学生ウサンの持つデジタルカメラ。彼らはじっと人間を見つめ、見たものを記録する。なんと、感情や意思までもっているのだ。人間の間で進行するストーリーにモノのモノローグが重なります。
第一部は「コピー機」。
へジョンは成功した大学教授。夫とは別居中だが、体面のため離婚せず夫婦円満を装っている。研究助手に応募してきた学生のウサンと、最初の挨拶の握手をしたとき、コピー機は見た。二人の手に電流が流れたのを。これがすべての始まりだった。
へジョンの研究テーマは、「婚外関係を持った女性のその後の性意識の変化」というもので、助手のウサンを連れて婚外情事の体験者の女性をインタビューに訪れ、あけすけな性体験の話を神妙な顔をして記録してくる。へジョンは、誠実そうなウサンに惹かれるようになるが、「しょせん、私には登れない木だわ」。
さらに、彼に恋人がいるらしいと知って落ち込み、同年代の女友達を呼び出して飲んで大泣き。そんなへジョンをなぐさめようした友達の行動がきっかけで、意外な展開に。ウサンがもう戻ってこないと知ったへジョンは意を決して夫に電話する。「離婚しましょう」。
その一部始終を見ていたコピー機はへジョンに最初に会った日の回想に浸り、秘密の告白をするのだった。
コピー機に見られてる?と思ったら不思議な気分になります。”

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